執筆者プロフィール
森 聡
法学部 政治学科教授(現代国際政治)森 聡
法学部 政治学科教授(現代国際政治)
いま世界は歴史的な移行期に入ったといわれています。経済的に躍進した中国は、他国に対する経済的威圧に及ぶようになったほか、軍備増強に邁進しています。またロシアは、安全保障上の不安と自らのステータスへの不満を強め、隣国ウクライナを侵略する行為に出ました。そしてアメリカ国内では、コスト度外視で対外政策を推し進めた反動で一国主義が高まり、理念を軽視し力と利益に走りつつあります。これらの国際政治の大きな流れが交錯した結果、アメリカ主導の国際秩序の基調に揺らぎが生じ、それは日本をはじめとする諸国家の対外関係に大きな不確実性をもたらしつつあります。
森研究会では、流動性を増す現代国際政治をどう理解し、その中で日本はどう生き抜くかというテーマを題材に、国際政治の歴史と理論に学び、複雑な世界の動きを多角的に理解して読み解く能力を養うトレーニングを積んでいます。国際政治は伝統と革新が織り成すものですので、それを理解するためには、歴史を参照するだけでも、理論によって思考をモデル化するだけでも不十分です。そこで当研究会では、この両方から学ぶとともに、第一線の実務家の話などから実践的な学びを得て、研究会メンバーに単に知識を身に付けてもらうだけでなく、国際政治を見抜く《センス》を磨いてもらうことに重きを置いています。物事の本質を見極めるような「問い」を自分で立てて答えを導き、さらにはどのような対応の選択肢があるのかまで考え抜く強い思考力と問題解決能力は、活躍する社会人の素養に直結すると考えています。
(掲載:2026年4月)